開館30周年

北沢館長

三十周年を迎えて 黒姫童話館館長 北沢彰利

 

 みなさまに支えられて歩んでまいりました当館が、今年三十周年という節目の年を迎えることができました。ご支援・ご来館いただきました全てのみなさまに厚く御礼申し上げます。
 当館が開館へ向けて動き出したのは、平成元(1989)年のことでした。信濃町企画室を中心として「黒姫山麓に童話をテーマとした施設を建設する」という夢想とも言える大構想から始まりましたが、地元信州児童文学会の協力を得て、さらにはミヒャエル・エンデという世界的な大作家の資料提供という奇蹟が重なり、事業は現実のものとして進み始めました。
 もちろん、大きな困難はありましたが、一つ一つ乗り越えて平成3(1991)年8月10日ついにオープンの日を迎えたのでした。開館へ向けても、それからの運営についても、多くの方にお力添えをいただきました。ここでお名前を挙げることはいたしませんが、忘れること無く感謝申し上げます。
 開館初年度にご入館いただいたお客様は、51,567人でした。翌年からもお客様の数は増え続け、多い年には8万人に届くかということもありました。
 以来、平成11(1999)年の童話の森ギャラリーの増設、いわさきちひろ山荘の移築、平成16(2004)年の松谷みよ子常設展の開始と、施設の充実がなされて参りました。童話の森ギャラリーでは、地元画家松木重雄や絵本作家桜井誠・大友康夫の常設展に加えて、その年度の企画展も重ねてきております。昨年度は、ミヒャエル・エンデの代表作「モモ」に今また時代の光が当たり、再ブームとなりました。児童文学の中に、混迷の時代を生き抜く光を求めようとする人々が、大勢いらっしゃるのです。「はてしない物語」に見る「ファンタジー」の国が栄えることなく、現実の私たちの世に幸せは生まれないのです。
 黒姫童話館は、こうした児童文学を求める全ての方々と願いを共にして、三十一年目の新たな歩みを踏み出してまいります。どうか、これからも変わらぬご支援ご協力をお願いいたします。